REGION STUDIES Inc.|白坂隆之介地方都市建築研究所

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■YADOKARI PROJECT #1_がんばり坂の家

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東側からの俯瞰(改修後).写真中央は半透明の断熱壁。スライド開閉して玄関となる。(撮影:淺川敏)

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  02_neighborhood   03_road   04_from_garden   05_from_cliff
06_entrance   07_beam_detail   08_interior_west   09_column_detail  
  10_interior_south   11_interior_north   12_from_loft   13_night_facade
撮影:淺川敏
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静岡県の浜松駅から約2km。住宅街の小さな空家を買取ってスケルトンリフォームし、自邸として復活させる。
これは、一般的な建築家自邸とは異なる「連作型」自邸プロジェクトの第一弾である。
リノベーションした空家は自邸として供用したのち転売し、また次の空家を自邸としてリノベーションする。
転売益をあげながら、自らはヤドカリのように移動し、足跡となる空家を一つ一つ蘇らせてゆく。

浜松市は自動車等の製造業が強いが、生産拠点の海外移転リスクなど産業構造の弱点にもなっている。
一方で、土地に根付く建築文化はこれまで弱かった。
このプロジェクトがまちの魅力を多様化する一助になればと期待している。

garden
室内から南側の庭を見る。室内の1/3は土間仕上で、庭と一体的に利用することもできる。

DATA
土地面積:188.42u
既存延床面積:43.06u
建物購入額:0円(土地代除く)
改修後延床面積:57.21u
改修後構造規模:木造・地上2階
改修工事費:約11,500,000円(外構工事費除く)
転売希望額:約13,500,000円(補助金額値引前)
付加価値要因:耐震等級3相当・省エネ性能長期優良住宅相当・維持管理対策等級3相当ほか
補助金実績:長期優良住宅化リフォーム補助金744,000円、静岡県TOKAI-0耐震補強工事補助金600,000円、同補強計画補助金88,000円、ブロック撤去助成金32,000円

ganbarizaka_old
(改修前)

facade
(改修後CG)北側前面道路より見る.地域住民にも親しみやすく開かれた住宅.

耐震化・断熱化・躯体の状況確認を兼ね、外装を改修する。
北側前面道路は急勾配の坂となっているが、この高低差も活かして沿道空間の印象もリノベーションする。
地域の核を担うこともできる、開かれた建築に改修する。

step

 

ヤドカリプロジェクト第一弾は、坂の中腹でガケと共生する住宅である。
浜松市中区は比較的ガケの多い地域であり、いわゆる「ガケ条例(※)」により「再建築不可」となる土地も多くなっている。
今回のケースでも南側の土地の一部が7mのガケに面している。

kmr_gake
敷地南側・高さ約7mのガケ.

ガケ近くに家を建てる場合、通常、ガケ崩れから家を守る擁壁を立ち上げるか、コンクリート等でガケを補強する等しなければならない。
従って、ガケ近くで家を建てる場合は通常大きな出費を強いられる。
今回のケースでも、ガケの存在が不動産価格の査定を大きく下げる要因となっていた。

この「ガケとの共生」がデザイン上、大きなテーマとなっている。
今回のケースでは、増築するキッチンのコンクリート腰壁をすることで擁壁の機能を兼ね、ガケ条例にも適合させる計画としている。
これにより、増築の建築確認済証交付も受けている。

ガケから距離をとるためのスペースは、バーベキューなどのイベントにも利用でき、 近隣住民との交流にも有用な庭としている。

site_section

gardensection

 

このプロジェクトでは、転売後の利用可能性を考えることが収支計画上重要となっている。
周辺の人口動態や世帯構成、物件の需給状況なども調査し、次の利用形態をシミュレートする。
建築規模を鑑み、現実性が高いのはSOHO利用と想定される。
(グラフは全てRESASから引用)

research

 

soho
SOHOとして利用する場合のイメージ

kumon house

昼間は学習塾として、夜間は住宅として利用する場合のイメージ

ワンルーム空間とすることで、自由に間仕切ってSOHOとしたり、昼夜で用途が変わるような使い方にも対応できる。
近隣事例にもある学習塾などとしても利用しやすい。
建築の耐用年数を想定し、除却までにどのような用途に転用されるか具体的に検討しておくことは、長く使われる建築を考える上で極めて重要と考えている。

 

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※ 静岡県建築基準条例第10条(がけ付近の建築物)
がけの高さ(略)が2メートルをこえるがけの下端からの水平距離ががけの高さの2倍以内の位置に建築物を建築する場合は、がけの形状若しくは土質又は建築物の位 置、規模若しくは構造に応じて安全な擁壁を設けなければならない。
ただし、次の各号の一に該 当する場合は、この限りではない。
一 堅固な地盤を斜面とするがけ又は特殊な構造方法若しくは工法によって保護されたがけで、安全上支障がないと認められる場合
二  がけ下に建築物を建築する場合において、その主要構造物を鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造とした建築物で、がけ崩れ等に対して安全であると認められる場合

 

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