REGION STUDIES Inc.|白坂隆之介地方都市建築研究所

home / profile / design flow / works / contact / blog

 

<< works に戻る

 

■ ヤドカリプロジェクトとは?

@空家を格安で購入する(仕入)
購入前にインスペクションを行い、比較的健全な住宅を選んで仕入れます。

Aスケルトンリフォーム(仕上げを剥がす全面的なリフォーム)
長期優良住宅以上にグレードアップさせ、資産価値を大幅に回復します。
この際、既存住宅性能評価を利用し、性能を公的に証明します。

B自宅兼事務所として使用したのち、公的な根拠に基づく評価額で市場に戻す
戸建住宅価格査定マニュアルに基づく評価額で転売し、市場に戻します。

転売益を元手に、@に戻り、次の空家を格安で購入・リノベーションします。
…以降@からBを繰り返し、自分はヤドカリのように移動しながら、足跡となる空き家をひとつひとつよみがえらせてゆくプロジェクトです。

 

yadokari_scheme


■ 失われた住宅の資産価値を取り戻す

日本に現存する住宅の評価額は、これまで住宅に投資されてきた累計額をはるかに下回っています。

stockgraph
出典:国土交通省「中古住宅流通促進・活用に関する研究会報告書(平成25年6月)参考資料より抜粋

2013年時点で投資累計額は約890兆円であるのに対し、住宅ストックの現在評価額は約350兆円。およそ500兆円も住宅の価値が目減りしているのです。
この原因は、例えば木造戸建住宅の場合、築後20年から25年で市場価値がゼロになる日本特有の住宅の評価方法に由来するとされています。
つまり日本では「お金をかけて家をつくっても、その家の価値はすぐになくなってしまう」のです。

しかしこの問題とされている「住宅の評価方法」は近年改められつつあります。
例えば長期優良住宅であれば耐用年数は100年など、性能を保証された家は価値を維持できる枠組みができつつあり、 現存する「タダ同然の中古住宅」も、性能が評価されれば耐用年数を回復し「評価額を取り戻す」ことができるようになるのです。

ヤドカリプロジェクトは、この新たな枠組みを利用して「失われた住宅の資産価値(評価額)」を取り戻してゆくプロジェクトです。
回復した資産価値は転売時の評価額として反映され利益を生み出すため、公的資金の助力なしで空き家問題を解決していけるプロジェクトになっています。

 

■ スケルトンにコミットする

市場に流通する中古住宅は「表面を見栄えよくリフォームしただけ」のものが多くなっています。
従前の評価方法では、リフォームする/しないに関わらず中古住宅の評価額は大きく変わらないので、再販業者としてはリフォーム代をできるだけ安く抑えることが至上命題になり、結果的に「仕上げだけのリフォーム」に終始してしまいます。
これから腐っていきそうな住宅でも、現にシロアリに喰われている住宅でも、うわべだけ見栄えよくして買い手をつけなければ儲からないということです。

しかし、評価方法が改められることに伴って、「性能を保証された住宅」はそうでない住宅よりも高い「適正な評価額」で売買できるようになります。
逆に、たとえ仕上げがきれいになっていても、これから腐っていきそうな住宅や現にシロアリに喰われている住宅を高値で売ることはできなくなっていきます。

ヤドカリプロジェクトではいわゆるスケルトンリフォームにより躯体の状態を確認することを前提として、「住宅性能評価」等を利用して住宅の性能を保証し、リノベーションされた中古住宅を「適正な評価額」で市場に戻します。
仕上げだけのリフォームに終始せず、中身(躯体=スケルトン)にまで遡って改修設計を行う、つまり「スケルトンにコミット」します。

うわべだけのデザインは、建築家でなくとも可能です。
うわべだけでなく、スケルトンにコミットすることこそが、これからの私達建築家に求められる職域になってゆくと考えています。

 

□ ケーススタディ

#1_KMR

KMR_icon

 

 

copyrights belong to REGION STUDIES @ 2016